Kさんが急に腹痛を訴えたのは3連休2日目の夜だった。
 激しい痛みに、下痢・嘔吐。顔面蒼白であぶらあせを流して苦しむKさんの姿に、奥さんはあわてふためき、オロオロ・ウロウロ。
 「救急車は呼ばなくていいから」とKさんはいうが、なんとかしなくちゃとあせる奥さん。回らぬ頭で思いついたのが、「休日・夜間診療当番医に電話すること」。
 区の広報紙で当番医を調べ、○○医院の番号をダイヤル。電話がつながるやいなや「あの、先ほどから急に主人が苦しみだして…」と奥さんは話しはじめた。
 電話の向こうからは「痛いのは、おなかのどこらへんですか?」「どんなものを食べましたか?」と的確な質問。これはやっぱりじかに診てもらったほうがいいと思った奥さん、「これから主人を連れて行きます!」というと、「ところで、お宅、どなた?」
 えっ!? そういうあなたはどなた? とまたまたあせった奥さん、「あの、○○医院さんじゃないんですか?」とおそるおそる聞くと、「そうです」。
 そりゃさぁ、最初に名のらなかったのは悪かったかもしれないけど…。せめて「お名前どうぞ」ぐらいの言い方してほしいよね、と奥さんは憮然とした。